【食育資格のテーマ】食事の衛生管理
「ノロウイルス」や「O-157」などの食中毒が、毎年のように流行しています。これらに感染すると、数時間~数日の潜伏期間の後、激しい下痢や腹痛の症状が現れます。
また、お年寄りや小さい子どもの場合は、命を落とすこともあり大問題です。
これらの感染経路は、多くの場合、食品についた病原菌を、口から取り入れる「経口感染」です。つまり、調理や食事の際に、衛生管理を徹底することが、とても重要だということです。
【1】食中毒の原因物質
食中毒を引き起こす原因物質は、大きく分類すると4つあります。
食中毒を引き起こす原因物質
- 細菌・・・サルモネラ菌、カンピロバクター、O-157など
- ウイルス・・・ノロウイルス、ロタウイルスなど
- 自然毒・・・毒キノコ、フグ、トリカブトなど
- 化学物質・・・防腐剤、着色料、漂白剤、殺虫剤など
食中毒を防ぐためには、原因となる細菌やウイルスを、「つけない」、「増やさない」、「殺す」ことが重要になります。

食中毒は、夏場の暑い時期に発生しやすいイメージがあるかもしれません。でも、実際には一年を通じて発生しているので注意が必要です。
いつでも油断は禁物ですね。
【2】食中毒を防止するための注意点
食事や調理の際に気をつけるべき具体的なポイントをまとめておきます。
食品を購入するとき
- 賞味期限・消費期限を確認
- 肉や魚は変色していないか確認
- 肉や魚はそれぞれビニールに入れる
- 肉や魚はできれば保冷剤をつけてもらう
- 肉や魚はなるべく買い物の最後に買う
- 肉や魚は寄り道しないでなるべく早く持ち帰る
食材を家庭で保存するとき
- 生鮮食品はすぐに冷蔵庫・冷凍庫にしまう
- 冷蔵庫の中はいっぱい入れすぎない
- 肉や魚は汁もれに注意(※ビニール袋、密閉容器)
- 停電中は扉を開けない(※中の温度が上がるため)
食材を調理するとき
一般的注意事項
- 調理の前には石鹸でしっかり手を洗う
- 包丁、まな板もこまめに消毒する
- タオル、ふきんは清潔なものを用意する
- ビニールなどのゴミはこまめに捨てる
- 台所全体を清潔にしておく
下ごしらえ
- 冷凍食品の解凍は冷蔵庫で行う
- 肉・魚などは他の食材の近くに置かない
- 肉・魚を切った包丁は熱湯などですぐに消毒する
- 生の肉・魚・卵などを触った後は手を洗う
- 野菜などの生食用の食材はよく洗う
調理中
- 加熱が必要な食材はしっかり加熱する
- 電子レンジを使うときは均一に加熱されたか確認
- 調理を途中で中断するときは冷蔵庫に入れる
食事するとき
- 食事の前には石鹸でしっかり手を洗う
- 調理後の食品はすぐに食べる
- 清潔な食器に盛り付ける
- 床に落ちたものは食べない
食事が余ったとき
- 作業前に必ず手を石鹸でしっかり洗う
- 清潔な容器に小分けにして入れる
- 清潔な箸などを使って容器に入れる
- なるべく早く冷蔵庫に入れる
- 温めなおすときは十分に加熱する
- 時間がたったものは迷わず捨てる
食材を加熱するときは、細菌やウイルスがきちんと死滅するように加熱することが大切です。具体的には、次のような条件で最近やウイルスを死滅させることができるので、覚えておくと役立つと思います。
食中毒を防ぐための加熱条件
- 細菌・・・食材の中心温度で75℃を1分以上が目安
- ウイルス・・・食材の中心温度で85℃を1分以上が目安
食育の資格のためにしっかり勉強すると、食品の衛生管理などにも、とても詳しくなることができます。食育資格は、家族の健康管理にとても役立ちますし、食品関連の企業への就職などでも、専門知識がアピールポイントになります。